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| シーラBことSheila Burgelはニューヨーク大学の東アジア学科に通う大学生。彼女の始めたJポップ のファンジン"cha-cha-charming"がジパングの目に止まり、インタビューを敢行した。インタビューは昨年春に行ったものなので、随分と時間が経ってしまった。お金がな〜いノンプロフィット活動につき、読者の皆さん、そして誰よりも協力してくれたシーラさん、ごめん。許してね。初めにシーラにどういう経路をたどってJ-Popファンジン発行に至ったかを聞いてみた。 | ||||||||
| ジパング:このファンジン、とても良くできてますね。どのようね経路でJ-Popのファンジンを出版するに至ったかを聞かせてください。 シーラB:子供の頃から音楽を聞くのが大好きで、私の両親の話しだと2、3歳の頃から、私が泣いている時は音楽をかけると泣き止む、というような子だったようです。私は1977年、イランで生まれました。そして2歳のときアメリカに移住しました。父はドイツ人で母がイラン人です。私が初めてきなにとても興味を持ったのは、やはりマイケル・ジャクソンでした。87年のコンサートに行きました。それからマドンナ。中学生になってからはヘビーメタルに夢中でした。ヘビメタ我が人生って感じでした。その6〜7年の間、たくさんのコンサートに出かけたり、ギターを買って自分でもヘビメタのミュージシャンになりたいとも思いました。高校が終わる頃、イギリスのサイケデリックポップやアメリカのインディーズに興味をもって、小さなファンジン"Prume"を出したんです。その手のミュージックが大好きだったので、それについて書いて、多くの人教ええたいという気持ちから始めたんです。文章を書くのが好きだったわけでもないし、良い英語の生徒だったわけでもないけれど、ファンジンだけが私の表現手段だったので出来たのだと思います。「プルーン」は大成功で、他の大きな出版社のティーンエージャーマガジンに紹介されたことも手伝って、3000から、時には4000部ぐらいの注文を受けるまでになりました。13、4才の女の子にしたら、「やった〜!かっこいい」て感じでした ジパング:どんな感じのファンジンだったんですか。 シ−ラB:フォトトコピーを使った、書き散らしの30ページぐらいのもので、年に3回出版しました。手作りでしたが、本当に情熱を込めて作りました。その頃同時に女の子だけのバンドでギターを弾いて、ニューヨークのあちこちでプレイしてました。バンド活動とファンジン出版は旨い具合に噛み合ってました。でも、高校を卒業する頃、私のファンジン活動も最高潮でしたが、バンドも全て辞めてロンドンに移動しました。ロンドンの方が自分にとって良いと思ったんです。2年間住んで、音楽産業関係の仕事をしたのですが、ビジネスの裏側を知るに至ってがっかりさせられることも多くて、私のミュージックに対する思いを壊してしまいかねなかったんです。でもロンドンで60年代の女の子バンドのキュートでメロディ主体のサウンドに興味を持ち、ニューヨークに戻ってきて、Jポップに出会ったんです ジパング:Jポップのどんなところが気に入ったのですか。 シーラB:一言でいってメロディーですね。アメリカの曲には絶対ありえないメロディーがあるんです。高いピッチのヴォーカルも面白いと思いました。私は全くのメロディーパーソンなんです。メロディックでないものはあまり好きになれません。私の友達らはテクノファンが多いですが、ヒップホップもそうですがリズムとビート主体の音楽は私はダメなんです。 ジパング:日本のポップミュージックは長い間、ウエスタンサウンドに日本語を乗せるというアプローチを取ってきました。今のJポップのサウンドは、むしろ日本語を使うこと自体がユニークなメロディー作りに繋がるのだと言うことでしょうか? シーラB:その通りだと思います。それはすでにアメリカンサウンドの模倣ではないし、アメリカのどんなメロディックな曲にも負けないユニークさを持っています。日本語の詩の意味は解からないんですけどね。まぁ、アメリカの曲を聞いてるときでもあまり詩には注意しません。特に素晴しかったり、美しい歌詩でない限りは。日本のアーティストで私が日本語辞典を引っぱり出してでも内容を知りたいと思ったのは、椎名林檎の歌詞です。彼女は大変カラフルなんでどんな人なのか知りたかったし、彼女の詩は他と違って深いものがあるように感じたからです。案の条、辞書で漢字を調べても半分ぐらいは解らなかったから、きっとすごく知的な詩なんだろうと…(笑)。 ジパング:彼女は話し言葉だけじゃなく、文語体を使いますからね。勉強のため彼女の「アイデンティティ」というビデオを見たのですが、面白かったです。モダン・ジャパニーズのアイデンティティの危機がテーマで、自虐的なまでにアメリカ化に迎合する日本人の無意識を笑い飛ばしています。 シーラB:椎名林檎は日本的なものに非常に意識的なように思います。ビデオのなかで和服を着て三味線を弾いてたり、他のアーティストはしないようなことをしています。日本の伝統的なマテリアルを使うことも恐れないのは凄いと思います。私は彼女が日本で大ブレークする以前から注目していましたから、それは今でも自慢です。 ジパング:雑誌のなかで、シブヤ系はJポップではないと言っていましたが、何故ですか? シーラB:シブヤ系の音はほとんど60年代イギリス、フランス、アメリカのポップミュージックの影響でできています。それらを日本的なやり方で再創造しているんでしょうが、私はすでに馴染んでるものなので、今さらその再生は必要ないと感じます。シブヤ系のアプローチにオリジナリティを認めない訳ではありませんが、限界を感じてしまうのも本当です。私にはアメリカン・ポップの影響を超えて、日本的な何かを感じるミュージックがJポップなんです。Jポップは90年代の現象で80年代のレベッカだとか、プリンセスプリンセスが道を開いたのだと思います。レコード会社に頼るのではなく、自分で自分の音楽をつくり、自らのイメージを生みだす。いわば、少年少女が自分の手にミュージックを取り戻す、てことだと思います。 ジパング:荒井由実(当時)が演歌や歌謡曲に対して自分の音楽をニューミュージックと名付けてから、ずっと強力な影響力をもっていましたが、それを超える文脈がJポップという名の下で展開しているのですね。 シーラB:Jポップはニューミュージックと呼ばれていたものとそんなに違わないんですが、そこには何かとても新鮮なものを感じます。Jポップの名の下には色々なタイプの違ったアーティストたちがいますし、ポップにロックにR&Bなど音楽的フレーバーも様々です。そしてグローバルな意識があるのも大きな違いでしょう。 ジパング:あなたは特に女性のアーティストに興味を持っているようですが。 シーラB:まず生理的に女性の声のほうが好きなんです。そしてやはり女性の表現に興味を持っています。特に自分で自分の曲を作って演奏するアーティストに興味があります。そのほうが、意味があるし内容があるから人々にもっとアピールすると思います。もともとビートルズやレッドゼッペリンを聞いてもピンとこないし、女性のアーティストのほうが、感情の表現が豊かだと思います。感情が真に伝わって来るのです。女性の経験を歌にしている訳ですから、共感ができるところが多いのだと思います。私が今最も注目しているアーティストはボニーピンクです。彼女のスタッフがとても気に入っています。彼女は日本とニューヨークを行ったり来たりしていて、雑誌のためにインタビューをしたこともあります。英語も旨いし、こちらでも充分通用するアーティストです。私がプロモーターなら彼女のコンサートをニューヨークでやりたいですね。本当に素敵な人だし、才能のあるソングライターです。 |
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