ローフーダー(raw fooder)の感謝祭

back

11月の第4木曜日は、アメリカ人にとってクリスマスに並ぶ大切な休暇、サンクスギビングデー(感謝祭)である。家族・親族が顔を合わせて、七面鳥の丸焼き、クランベリーソース、ポテト、パイなどのごちそうを囲み、農作物の収穫を感謝する日とされる。

ごちそうの目玉は七面鳥であるが、ニューヨークにはベジタリアン人口が多いので、実際は七面鳥を食べない人も数多く存在する。私の家族も1年半ほど前から完全なベジタリアンである。

ベジタリアンといっても鳥や魚はオーケーという詐欺のような(?)人もいれば、卵や乳製品もダメだというヴィーガン(vegan)と呼ばれるベジタリアンもいる。しかし究極のベジタリアンはローフーダー(raw fooder)であろう。

簡単にいうとローフーダーは生野菜、果物中心の生活を目指す人たちだ。今回ニュージャージーに住むローフーダーの知り合いから、ローフード・ポットラック・サンクスギビング・パーティーに招待されたので、家族で行ってみた。

なぜローフード?

1年半前の私は何でも食べる人であった。グルメ試行が強く、新しいレストランや話題のレストランといえばチェックしたかった。実際は予算の関係で安くて美味しいエスニック系レストランに行くことが多かったのだが。

その頃の私は、菜食主義者やヴィーガンのことを「よくそこまでやるなー」と心の中で変人扱いしていたことは否定できない。そんな私が菜食主義者になり、ローフードを完全ではないにしろ実行しているというのは奇異なことである。

私の場合、5年ほど前から歯の状態が悪化し、昔治療した歯を治療しなくてはならなくなったり、神経治療をした歯が痛み出したりして、地獄のような日々を送っていたことがきっかけだ。何度治療しても歯茎は腫れ、歯根の痛みは取れず、歯医者にも見放されていたほどだった。

そんな時、友人がマスタークレンザーというレモネード(メープルシロップとレモンと水)断食で花粉アレルギーが見事に治ったという話をしてくれた。体内の毒素を出すとほとんどの病気が治るというのだ。

早速、私も資料を読み、10日間レモネード断食を試してみた。すると歯茎の腫れはウソのように引き、歯の痛みもすっかり治まったのである。ところがまた普段の食生活を再開させるとほんの2週間あまりで元の症状が戻ってきた。

マスタークレンザーの本を読み返すと、断食後の食事法として、「より多くの人々がローフードを食べるようになっている」という箇所があった。そこでウェブで「raw food」を検索すると、数限りない情報が出てくるではないか。

簡単にローフードの利点を説明すると

1. 消化を助けるのに重要な酵素が加熱によって壊れることなくすべて残っているので身体への負担が少ない。
2. 身体の浄化作用を助ける。
3. ビタミンやミネラルが最大限に摂取できる。

私はこの食事法で難病を克服した人の体験談なども読み、大いに興味を持った。まず菜食を中心にし、少しずつ、ローフードの割合を増やして行くと、歯の問題がすっかり消えてしまったのである。

ユニークなサンクスギビング・ポットラックパーティーの場を提供してくれたのは、ニュージャージーに住むカレン・ラムジーさん一家。カレンさん一家はもともと菜食主義だったが、息子さんのマルコ君の小児ぜんそくに悩まされていたとき、ローフードについて知った。

何年も続き、医者からは一生治らないだろうと言われていたぜんそくが、ローフード100%の生活にしてから完治したという。以後、7年間、カレンさんは100%ローフードの生活だ。マルコ君も4、5年完全なローフードを続けたが、最近は「いつも特別な食べ物を持っていくのはイヤだ」という理由で、調理された食べ物も食べるようになったという。

「彼は肉を食べるようなことはしないけど、いろいろ経験してみたくなったのね。最初はぜんそくが戻ってくるかと思ってヒヤヒヤしたけど、強制することはできないわ」とカレンさん。

ティーンエージャーの娘さんは一時期マルコ君のように調理されたものを食べていた時期があったが、自分の体調の変化とか、周りにいるローフーダーの人と一般食の人を比べてみて自分なりに納得し、またローフード100%の生活に戻ったという。

パーティーには、50人あまりのローフーダーが、それぞれローフード・ディッシュを持って集まった。サラダや果物を切るだけの簡単なものから、ナッツやアボカドなどを使ってパテをつくったり、ズッキニーをヌードル風に削ったものに、パインナッツや生しょうゆなどでつくったソースとハーブをそえたもの、ローアップルパイをつくってきた人もいた。それぞれに個性的で美味しくいただけた。何よりもたくさん食べてもお腹が重く感じないのがよい。

ローフード関係の本で有名なダグラス・グラム氏がスピーカーとして話し、一人一人が自己紹介をした後、「何に一番感謝しているか」について話した。私にとっては一般的なサンクスギビングよりもためになる楽しいイベントであった。(YM)

関連サイト
http://www.living-foods.com/
http://www.doctorgraham.cc/