「デモのすすめ!」
イラクからの米軍撤退を求める反戦デモに参加して。

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先月(10月)25日に行われた、ワシントンDCでの反戦デモに参加してきた。年初めのイラク侵攻直前のデモと比べれば参加人数は、半減しているものの、デモ日和の好天気に見舞われ思っていた以上の盛り上がりを見せていた。ある意味では戦争前のデモより今回の方が重要だと言える。まだ起こらない戦争に反対するのは簡単だが、すでに起り、既成事実化した戦争に反対するのは難しい。既成事実化しちまえば勝ちというのが、ブッシュ政権とそれに迎合する東西ネオコン一味のやり方だからだ。

だからこそ粘り強く反戦の主張を続けるのが大事なのだ。右傾化、マッチョ現実主義、単独主義の方向へとごり押しし、既成事実化していくヤリはヤバイんじゃないの? 海の向こうで現日本政府が憲法9条を無視して自衛隊派遣するのもそうだし、人ごとではなくなりつつある。

っとまぁ硬い話はさておき、デモ参加は楽しい!これがすっごく楽しいんだな。一度やったら止められない止まらない。アンビリバボー! それに最近のデモって悲壮感がないからいい。僕はデモといえば自分が乗り遅れた「アンポ反対」を思い浮かべるけど、近ごろのデモは随分様相が違ってきてます。イデオロギーを全面に出したデモではなく、もっと柔軟に戦争反対とか、ブッシュの政策に反対とか、単にブッシュの顔が嫌いだとか、色々だし、参加者もおとっつぁんからおっかさん、子供に赤ちゃん、じいちゃん&ばあちゃんズ、皆コイコイ状態です。

人種的にも雑多なので、まったくの祝祭空間、山口昌男理論にいつの間にかなってしまっているのでした。ニューヨークのデモでもそうだったけれど、普段自動車が走る街路を多勢に無勢で練り歩く(皆で歩けば怖くない!)のは、けっこう非日常的体験なのでお勧めです。歩行者天国なき後の日本にもこれはアプリカボー。

ついでに日本人の見立ての美学を使ってしまえば、デモの様々な仮装出し物はお神輿だし、ポリバケツは太鼓代わり、笛あり、拡声器(椎名林檎もびっくり)ありでサンバにタンゴ、阿波踊り...そうそうナンマイダーの坊主たちもいた。できるものならチンドン屋さんも招待したいと思ったよ。次のデモでは日本文化紹介も兼ねて、ジャパンファウンデーションあたりがチンドン屋さんを呼ぶお金を工面してくれても罰は当たらないと思うんだけどね。とにかく皆さん発散モード全開パワーになっていました。

この大衆運動化のトレンドに関しては主催者側も心得ているようで、誰にでもオープンで賛同する要素が少しでもあれば、少々の意見の違いや硬いことは言わずに協力しようじゃないかという体勢で整っているようです。参加(小)組織の数も半端ではなく、ステージでの各組織代表(日本からは被爆者のグループも紹介されていた)のスピーチが延々と続き、参加者はしびれを切らして勝手に行進し始めちゃった。一枚岩になる必要もないからまぁ良いでしょ!

デモ全体を組織したのはUnited for Peaceと A.N.S.W.E.R. の二大組織で、A.N.S.W. E.R.はスターリニスト的(あれトロッキストだったかな?)Worker World Partyを母体とする組織で、反戦派でもある種の人たちからは敬遠されてたりする。でも何度もいうが、こんな時、硬いこと言っててもしゃあない。

インテリやアーティストと呼ばれる人たちもこの手のデモではあまり見かけないような気がする。気のせいかな?いっしょに参加したインテリの友人(2名)の話しによるとインテリ層の中には始めからこの手の大衆的な運動をバカにしている人も多く、彼等の理論通り一夜にして革命が起らなくてはダメなのらしい。そのための理論構築(理論武装ともいう)が一番なのだそうだ。アカデミアの中でクソでもして寝ててくれと言いたい。

僕が一応代表する(かなぁ?)ビジュアル・アーティストもいい勝負で、見かけませんね!ゴジラ(アジア系米人アーティストネットワーク)の仲間よ何処へ行った?神出鬼没、変幻自在がアーティストのいいところなんだから、せっかくの表現のチャンスを無駄にしないようにしましょう。デモはストリートパフォーマンスの宝庫です、ナンちゃって。表現の自由(1st Amendment)はアーティストのお株でなければ困る。明日を担うアーティストたちよ、スノッブなアートマーケットとのお付き合いで忙しいのはわかりますが、市場経済バンザイばっか、しちょらんでね。よろしく。以上「デモのすすめ」でした。
(リキ)