ニュヨリカン詩人、
ウィリー・ペルドモ

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イースト・ハーレム育ちのWillie Perdomoは100万人いるといわれているニューヨーク在住プエルトリカンのひとり。俗にニュヨリカンといわれる。彼をヒップホップ世代随一のラティーノ3詩人に押し上げた「When a Nickel Costs a Dime」(W.W. Norton)から6年。この秋、2冊目の詩集「Smoking Lovely」(Rattapallax Press)が出た。

ペルドモの朗読を初めて聞いたのは昨年夏のこと。場所は東96丁目だった。ここは、マンハッタンの人種と階層の境界線。南は特に所得の高い人が住むアッパーイーストサイド。北はスラムのイースト・ハーレム。両方の地区を貫くのがグランドセントラル駅から郊外に向かって走る電車メトロノースだ。

この境界線を象徴するかのように、地下を走っていた電車が地上に出てくるトンネルの真上にある小さな公園で、ペルドモのディープな声が轟いた。この地域の異なる人々を登場させてマンハッタンの経済格差を示したドキュメンタリーの屋外上映会の際だった。読んだのは、全くこのイベントにふさわしい「Reflection on the Metro-North」。

ペルドモはメトロノースにこだわる。2冊の詩集とも別々の「Reflections on the Metro-North」で終わっている。その時、読んだのがWinter 1990バージョンだったのか、Spring 1997バージョンだったのかは定かではない。覚えているのは、エル・バリオ(イースト・ハーレム)らしさが朗読する言葉と声と身体からみなぎっていたことである。ラップに近いが、ラップほど様式化していない。ハーレムやイースト・ハーレムの住人のトークに近い。

ラングストン・ヒューズが「ハーレムのシェークスピア」なら、ウィリーは「イースト・ハーレムのラングストン・ヒューズ」だ。本人もヒューズからの影響を認めている。自分や周囲の人を観察して書いたストリートの現実をスペイン語混じりで表現。その詩を読めば、アッパーマンハッタンのレキシントン街の光景が目に浮かぶ。                  (八巻由利子)

関連サイト
www.rattapallax.com/perdomo.htm

Willie Perdomo as a guestreading his pieces from his books at an English class at Molloy College in Long Island on Nov. 14, 2003
photo by; Angeli Rasbury