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2. 緊急アピール:


米国の報復戦争に断固反対し、平和的解決を要求します
―グローバルな戦争にグローバルな連帯で抵抗しましょうー
from「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク

2001年9月17日

1) 米国政府は国際テロへの報復戦争を中止せよ
2) 日本政府は米国の戦争政策に協力するな
3) 国連は国際刑事法廷を設置してテロ犯罪者を訴追せよ
4) アラブ系の人々への人種差別的暴力をやめよ
5) テロの根本原因を断つために公正・共生の世界を!

暴力のない21世紀をめざして、20世紀の日本の戦争責任に取り組んできた私たちは、21世紀最初の年に起こった米国への同時多発テロ攻撃に衝撃を受け、それに対して、米国が報復戦争を宣言していることに恐怖を感じています。

私たちはテロの犠牲になった数千人の人々を悼み、遺族の悲しみに思いをはせます。一日にこれほど多数のアメリカ人のいのちが失われたことは米国史上初めてというほど大規模な被害といわれます。それは、世界で突出した最強の軍事力による安全保障が市民の安全を守れず、その経済と軍事の中枢があっけなく破壊されたことを示しています。ところが、ブッシュ大統領は、軍事戦略をさらに強化して「これは戦争行為だ。善と悪との戦い、文明と野蛮との戦いに断固勝つ」と、犯人を特定する前から武力行使を決定しました。私たちは、軍事力による報復に断固反対します。

今回のテロは戦争ではなく国際犯罪です。このような大量殺戮は人道への罪であり、国連など国際社会が国際刑事法廷を設置して、テロの実行者や共犯者を国際法に基づいて厳正、公正に訴追し、処罰すべきです。ところが、ブッシュ大統領は、国連にもはからずに、多くの国々を巻き込んで、400億ドル(4兆8千億円)もの戦費で大規模な報復戦争を断行し、テロ組織だけでなく、それを支援する国家までせん滅するというのです。それこそ、国際法違反行為であり、米国がまさに誇りとしている民主主義や法の支配を自ら放棄することではないでしょうか。米国の権力者たちの「暴力には暴力で」という信念に対して、私たちは暴力でテロを根絶できないと確信しています。
暴力が暴力を生むことは歴史が証明しているからです。暴力の悪循環を断つには平和的な手段しかありません。

米国のメディアは「第三次世界大戦だ」と戦争をあおり、米国の世論も軍事力行使を圧倒的に支持しています。しかし、報復に賛成する米国の市民は、なぜ米国が自爆テロの標的にされたのか考えたことがあるでしょうか。テロで犠牲になった人々は、自国の政府の誤った政策の犠牲者でもあります。その巻沿えで多くの外国人のいのちも奪われました。私たちは、かつて日本の侵略戦争で、何千万というアジアの人々だけでなく、何百万の日本人自身が死に追いやられたことを想い起こします。

米国はベトナム戦争や湾岸戦争で、南米やアジアの独裁政権援助で、スーダンや旧ユーゴ爆撃で、そして、パレスチナを占領し続けるイスラエル支援で、それこそ、今回の犠牲の何百倍、何千倍の人命を奪いました。そのことを世界の人々は記憶しています。そして、現在、米国は、途方もない貧富の格差や環境破壊や武力紛争を引き起こすグローバル化を強引に推進し、地球温暖化や核拡散や国際刑事裁判所や人種差別反対国際会議など国際社会の努力にことごとく反対しています。その米国に対して、世界中の民衆の中に反感と憎悪が渦巻いているのです。そのうえテロ組織に武器を供給してきたのは米国です。それら国際テロの根本原因が取り除かれない限り、いくら軍事行動をとっても、「弱者の武器」といわれるテロを根絶やしにすることは不可能でしょう。

「戦争がどんなに悲惨なものか、アメリカ人はわかっているのでしょうか」と自国の領土で戦禍に苦しめられたアジアの女性からのメッセージに書かれていました。数千人のアメリカ人のいのちが奪われたことに怒るならば、これから米国が始めようとしているグローバルな戦争で、アフガニスタンなど他国の人々、女性や子どもたちのいのちが失われることを防がなくてよいのでしょうか。米国の経済制裁ですでに飢餓に苦しむアフガニスタンの400万人を軍事攻撃でさらに死に追いやろうとしているのです。地上軍の派遣は女性に対する戦場の暴力を生むことが憂慮されます。

米国で流された涙を他国の人々にこれからも流させてよいのでしょうか。テロの犠牲者たちは果たしてそのような残酷な復讐を求めているのでしょうか。それが鎮魂になるのでしょうか。決して憎悪のナショナリズムに利用されることは望まないでしょう。非西欧世界の人々のいのちもアメリカ人のいのちと同じように守られなければなりません。それが民主主義や人権の基本原則、米国が守るという「文明」のはずです。

米国では、数百万といわれるアラブ系の人々への人種差別的な暴力が猛威をふるっていると報じられています。そのような暴力を直ちにやめさせるべきです。しかし、同時に、米国の良心的な人々から、“もう一つの声”も相次いで届いています。国をあげての愛国的戦争熱の中で、平和を求める勇気ある人々と共に行動したいものです。

NATO諸国も米国の戦争政策を全面的に支持すると表明しています。過去の西欧の植民地支配を反省し、今日の南北の不公正な関係を変革するのでなく、イスラムなど非西欧世界の人々を力づくで押さえつけようとしているのです。西欧の市民社会が今こそ武力でなく平和を求める行動を起すように願います。

そして、日本人にとって恐ろしいことは、小泉政権が「米国支持」をはっきりと打ち出 していることです。早速、政府与党は、米軍基地を守るための自衛隊法改悪を決定 し、有事体制や治安出動を公言しています。国家主義的な勢力は、この米国へのテロ 攻撃を、日米ガイドライン体制をいよいよ実施し、米国の軍事行動に協力する好機到 来ととらえて、戦争のできる国家へと大きく踏み出そうとしているのです。

沖縄では 基地がさらに強化されて、女性や地域への暴力が悪化することが心配されます。私た ちは日本政府に対して軍事化路線にはっきり「ノー」といい、米国への戦争協力に強 く反対したいと思います。今こそ平和憲法の理念に立って、一人の死者を出す暴力行 為にも加担してはならないと主張します。

グローバル化が危険な原理主義やナショナリズムを生み出している今日の世界で、それを推進している米、欧、日の「北」が、その被害を受けて抵抗する「南」を武力で押 さえ込もうとするグローバルな戦争をなんとしても阻止しなければなりません。

米国 の良心的な少数派を含めてすべての国の市民が、国境を超える連帯のグローバル化で 戦争のグローバル化に反対し、反戦の行動に力を結集することを訴えます。私たち は、あらゆる暴力を否定する非暴力の立場で、21世紀を再び戦争の世紀とするのでは なく、平和の世紀に変えるように、世界の女性たちに呼びかけます。

賛同署名団体・個人

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送り先 VAWW−NETジャパン
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